Civic Tech Fun! Fun! Report! 2022年5月号

2022.06.02 | 活動レポート

はじめに

Civic Tech Fun! Fun! Report! 2022年5月号は、Code for Amagasaki、Code for Giin、Code for Japanの3団体のレポートを掲載しています。 先週のNHKスペシャルで取り上げられるなど、シビックテックへの注目が高まっている昨今ですが、各地域やオンラインでの活動も継続しておこなわれています。今月もプログラミング教室や請願書・陳情書、NPOなど多様なテーマの記事が寄せられています。 今回も各地のFunFunレポートをお楽しみください♪ 協力:たださん(Code for Amagasaki)、八木さん(Code for Giin)、天川さん(Code for Japan NPTech)

Code for Amagasaki

尼崎市で夏に開催しているみんなののサマーセミナーというイベントがありまして、コロナの影響で2年間オンライン開催しておりましたが、今年は市内の高校を二日間お借りして2年振りに現地開催する予定です。サマセミは市民がセイトやセンセイになれる学校ごっこの催しで、5月中旬までセンセイの募集をしておりました。各センセイの希望の日時や教室を考慮して、自動的に授業の時間割を生成するマクロをLibreOfficeBasicで実装しています。ソースコードはGithubで公開しています。今年は少しバージョンアップして、可能な限り同じ時間に同じカテゴリーが被らない機能を追加しました。マクロが時間割を生成していく動画を実行委員会の皆で観て盛り上がっております。

Code for Giin

秋田県五城目町で町議会議員として活動している松浦真と言います。
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これまでキャリア教育を支援する教育系NPOで12年、学校に合わない子どもたちを支えるハイブリッドスクーリング事業で6年活動してきました。主に、子どもの社会参画を中心に議員活動や自社事業を進めています。しかし2020年のコロナ禍以後、これまで中心だったリアルで子どもたちを集めて行う「こどものまち事業」が難しくなってきました。
そのため、オンライン中心でのワークショップに切り替え、現在は認定NPO法人カタリバで環境によって学びにハンデを背負っている子たちを対象としたプログラミング講師としても事業を進めています。
その中で、オンラインの可能性として最近見出していることが
請願書・陳情書の提出を小中高の生徒が簡潔に進めることができるシステムの構築です。(現状はまだ何も手を付けれていないので、お手伝いしていただけるデザイナー、プログラマーの方がいらっしゃればぜひお声掛けください!!)
下記は、私がまとめた全国での小中高生が請願書・陳情書を提出した事例をまとめたnotionのページです。
https://general-zebra-6f3.notion.site/ver202205-ad88629507f549ccaad9a54438d8d1c3これらをもとに、現在問題となっているブラック校則改善の動きを生徒が主導で行ったり、地域のSDGsを意識した提言、地方自治体の予算配分に対する未成年の意見提言などが積極的に行われるためのオンラインワークショップの提供+PCやモバイル端末から動くブラウザベースのSPA(シングルページアプリケーション)ができればいいのではと考えています。
導入イメージとしては下記です。
  1. 小学校~高校の授業で2コマ(90分~100分)ほどもらう。
  1. オンラインでの自己紹介(5分)
  1. 実際の小学生~高校生の事例を見てみる(10分)
  1. 学校や地域、暮らしの中で、これ困っているなぁを各自でブレスト形式で書き出してもらう(5分)
  1. その課題の中で1つ困っていることを、5W1Hで言葉にしてみる(10分)
  1. 6、選んだ課題を陳情・請願書フォーマットのSPAページにあてはめてみる(15分)
  1. できた文章をnotionに貼り付けてみて、お互いにチェックする※(20分)
  1. 自分の感じている課題を解決する方法は議会だけじゃなくて、民間で自分たちで出来ることもあるけども、それでも解決できないこと(例えば法整備、ヤングケアラー支援、LGBTQに対応した制服導入など)は議会に伝えてみるのも1つの方法と説明(5分)
  1. 全国の議会は、地域に暮らす子どもたち一人ひとりが大切にしたい陳情・請願を待っています。(5分)
※生徒間で、本当にこれ変えたいね!という共感が大きくなれば、そのまま学校長や各地域の社会教育主事にも確認をしながら、3ヶ月に1回の議会定例会に提出。
文科省でも実社会との接点を重視した課題解決型学習プログラムの重要性はずっと叫ばれてもいますから、都道府県の教育委員会や各市町村の社会教育主事にOKのサインをもらいながら進めると、子どもの意見が途中で忖度されて止まらないと思います。
子どもたちがデジタルツールを利用して意見を伝えることができ、その経過が自分ごととなれば、若者による社会参加、政治参加が変わっていき、投票率の改善にもつながるはずです。若者の投票率改善は今後30年間の日本の人口動態を見たときに、予算配分の在り方にも影響を与える大事な声となります。

Code for Japan

Code for Japan NPTechチームの天川です。
5月18日に「やってみよう!NPOの業務改善」と題して、日本でファシリティドッグ・プログラムを実施しているNPO法人シャイン・オン!キッズから課題提供いただき、イベントを開催しました。今回はイベントの様子をレポートします!
ファシリティドッグは通常のセラピードッグとは異なり、医療チームとして1つの病院に常勤します。ファシリティドッグが寄り添うことにより、小児がんや重い病気の子どもたちが治療を前向きに捉え、自尊心を保てるよう、子どもたちとその家族の生活の質の向上を目指す活動です。
ファシリティドッグ・プログラムは現在4つの病院で提供しており、今回参加いただいた村田さんは、プログラムマネージャーとして、全体を統括されています。
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ファシリティドッグ・プログラムを運営する村田さんのお悩みは、「4つの病院から共有される情報を集計するのに時間がかかり、かつリアルタイムで集計されず、せっかくの4つの病院に在席するハンドラー(ファシリティドッグとともに、病院に常駐するスタッフ)からの報告があっても、都度の報告や素早いノウハウの共有などに活かすことができない」というものでした。
当日は「やってみよう!NPOの業務改善」のイベントタイトルそのものの構成で、ファシリテーターのあんくるを中心に
  • 参加者のみなさんと事業全体のヒアリング
  • 業務内容の掘り下げ
  • 実際に取り扱っている帳票やExcelはどのようなものか
  • 最終的に、どのような情報が、どんなタイミングで、誰が見ることができると嬉しいか
  • それを実現するためには、どんな手法があると良いだろうか
  • それを実現するために、セキュリティ的/技術的な問題はあるだろうか
などなど、2時間の短い時間のなかですが、参加者の皆さんと一緒に、多くの議論ができました。
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今回のディスカッションで出たアイディアを実現するためには、STO創出プロジェクトでの協働や、ソーシャルハックデーでのシビックテックプロジェクトとしての開発など、様々なアプローチ方法があります。NPTechチームでは、今後も引き続きシャイン・オン!キッズの皆さんと対話しながら進めていけたらと思っています。
最後に宣伝ですが、「NPOの業務改善」をテーマに、業務改善の事例や手法、NPOのドメイン知識などを学んだうえで、NPOと一定期間業務改善のプロジェクトに取り組む「業務改善Studio」を、8月〜9月に開催予定です!
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  • 社会課題に貢献したい、スキルアップしたいエンジニア
  • 業務改善に課題を持つNPO等非営利団体
それぞれ大募集しております。ご興味のある方は、Code for Japanのslackコミュニティで#proj-sto_communityチャンネルにご参加ください。
皆様のご参加をお待ちしております!
■NPTechとは
NPOのデジタル活用を目指した活動です。Code for JapanはSTO創出プロジェクトやNPTechStudio等の各種プログラムを提供し、NPOとエンジニアや企業との協働や共創をコーディネートしています。
■STO創出プロジェクトとは
社会課題解決に向けて現場で活動するNPOのIT利活用を、IT人材との協働体験やコミュニティ活動等を通して促進する、「ともに考え、ともにつくる」プロジェクトです。活動の核となる人材として、NPOの経営視点からIT活用戦略などをアドバイス・実践するソーシャル・テクノロジー・オフィサー(STO)の存在や働きが重要という仮説をたて、こういった人材を創出するアプローチをとっています。また、スキルや経験を補い合い、精神的な支えにもなるコミュニティの形成や、事例やTIPSを共有し協調・共創できる仕組みづくりを通して、STOを中心としたNPOのIT利活用におけるエコシステムを構築していきたいと考えています。

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